笠原鉢 (17世紀)

 笠原鉢は、江戸時代前期に笠原(土岐郡笠原町)の諸窯で焼か れていた大型の鉢である。器面に施された葦や草花などの大胆な 絵付けや緑釉の流し掛けなどは、桃山時代に隆盛を誇った織部の 製品のおもかげを残している。織部の最盛期のような華やかさは ないが、自由奔放な図柄が興味深いものである。
 この笠原鉢にも、鉄絵具で内面いっぱいに葦と3枚の葉をもっ た植物とが描かれている。葦は、志野や織部にもよく描かれてい る文様で、笠原鉢でも定番になっている。また、丸い葉を3枚も った植物も、笠原鉢によく描かれる文様である。銅緑釉は流し掛 けされ、口縁部をほぼ一周している。
 内面には、円盤に円錐形の脚を3つ付けた「三叉トチ」の跡が 4か所、高台にも円形の熔着痕が4か所ある。同様の鉢を重ね積 みして焼成していたことがわかる。