美濃陶芸作品特別永年保存作品(平成4年度)

「色絵釉裏金彩食籠」

人間国宝 故 加藤土師萌

〔制作意図〕

 昭和37年頃から先生が新しく手がけられた作風の一つで,正倉院の平文漆器からヒントを得て, 陶胎の上に金箔を貼りその上に低火度の鉛釉をかける技法が使われております。
 1963年頃から,これを磁器に応用されまして白磁を1300度で焼き,それに厚い金箔を貼って1000度で焼き, さらに全面に黄釉をかけるなりまたその上に緑釉(酸化銅の少量入った酸化鉛釉)で文様を描くなりして, また850度で焼成されております。
だから素焼きを加えると4回も窯の世話にならないと出来上がらないものです。
 先生はこの手法の作品を6点程手がけられましたが,そのうちの1点であります。

〔主な陶歴〕

大正15年岐阜県陶磁器試験場長井深捨吉の招請により,同試験場技手として着任
昭和4年第10回帝展に陶板「海女図」出品(岐阜県陶磁資料館蔵)
昭和27年無形文化財に選定(上絵付きの技術が文化財保護委員会より助成の措置)
昭和32年上絵付(黄地紅彩の無形文化財記録保持者に選定)
昭和42年東京芸術大学教授を定年退官,名誉教授となる,紫綬褒章受賞, 新宮殿第一儀礼室調度品の大飾壷制作にとりかかる