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桃山時代に入り、従来のいわゆる唐物第一指向とは異なった
「侘び・寂び」の価値観が形成される中で、2種類の黒い茶碗が
生まれた。京都の黒楽と美濃の瀬戸黒である。半筒形をしたこれ
らの茶碗は一見よく似ているが、手捻り成形で低火度焼成の黒楽
に対して、瀬戸黒は轆轤成形で大窯による高火度焼成で、製作工
程に違いがある。しかし、焼成中の窯内から引き出して急冷さ
せ、鉄釉を漆黒色に発色させる技法は同じである。 一般に、瀬戸黒茶碗は端正な半筒形をしている。その高台はと ても低く、腰が畳に着くほどのものもある。瀬戸黒は、時代が下 るに従って箆で面取りを施すなど作為的になり、歪みのある織部 黒へと移行する。 |